酒井和夫先生のメンタルケアコラム
第七回

子どもたちの健全なこころの育成は大人たちの健全な精神生活にある。

その昔、子どもは地域全体の子どもだった

最近、子どもたちが引き起こしたり、巻き込まれたりする事件が急増しています。非常に多くの要因、原因、遠因が絡んでいるために、それを特定することは非常に困難です。こうした状況になると、子育ての仕方、子どもとの接し方が、にわかに話題にあがりますが、残念ながら決定的な解決策にはいたりません。

現代のお母さん方の置かれている根本的な難しい状況とは、“コミュニケーションがほとんどない”ということです。

あるとすれば、地域のコミュニケーションか学校のPTA関係のもの2つくらいしかありません。ところが、地域というのは、すでに崩壊しています。

このように物質というものは、『いい』『悪い』と一概に決められるものではありません。これは人間の人生にも同じことがいえるのではないでしょうか。自分自身のことについても、子どもへの接し方についても、柔軟性を欠いた考え方になっていないか、現代人は振り帰ってみる必要があると思います。

お祭りもなければ、子どもたちが学年を越えてみんなで遊ぶといったこともほとんどなくなってしまいました。つまり、日本全国で都市化が進んでしまっているのです。

こういう環境では、どこの子どもがどこにいようと、大人たちが関心を寄せないのも、当然の流れですね。

子どもたち自身の社会が形成されなくなった

また、学校のPTAというのも、うまく機能しているところもあるでしょうが、残念なことに、多くはストレスを生み出す場となっています。忙しい中、学校に行かなくてはならなかったり、役員を任されたり。

もうひとつは、自分の子どもと人の子どもと比べて、どっちができるかできないとか。仲良くさせたい子どもの母親同士が接近をはじめる社交場になったりもしています。

昔から、子どもたちは子どもたちなりに、彼ら彼女らの小さな社会を構成する能力があったのですが、現在ではそれが失われたり、歪められたりしているのではないでしょうか?

しかも、昔から、日本の夫婦というものは、欧米の夫婦に比べて、会話が少ない傾向があります。そんな状況でも、お母さん方が互いに支え合う地域の友だちなどがいたのですが、今ではそれらの多くが崩壊しつつあるのです。

さらに、育児の仕方が分からない。1人、2人、3人と子どもを産んでいる訳ではないので、そのためにより難しくなっている面もあります。では、どうしたらいいのか、ということになりますが、最初に申し上げたように、教育を含め、とてつもなく大きな問題に結びついていくのです。

両親の健康状態が昔より大きな要素になっている

しかし、そこでもっとマズイことは、お母さんが精神的に失調をきたしたりして、子どもに当たったりすることによって、さまざまなマイナスの要因を与えてしまっている、ということです。それが長年にわたって続くと、最悪の場合、虐待にまでいきかねません。基本的に、両親が健康でなかったら、特に精神的な面において健康でなかったとしたら、子どもにとって良い影響はありません。昔は、近所の友だちと遊ぶ機会がたくさんあったり、地域のコミュニケーションがあったので、少々の親子間の問題は、乗り越えられる部分もありました。

ところが、今それが失われてしまった以上、両親の健康状態というのは、昔と比べてとても重要になってきているのです。蒸し返しになりますが、では親子というような家庭、言い換えれば、個人の問題か、地域の問題か、はたまた教育の問題か、と問うならば、いつまでも結論のでない議論に陥ってしまいがちです。

ただ、私は精神科医として、精神的な失調を改善することは、このような親子のストレスを解決することにつながり、子どもの社会問題に対しても、ある程度の効果が期待できるのではないか、と考えました。

そして、このような精神性に対してよい食品は、単なる健康食品ではなく、健康創造食品とも言えるし、この開発は私自身にとっても、意義のあることだと思ったのです。

明るい幸せな家庭をつくる心のコントロール

こうして生まれたのが、「ヌーススピリッツ(低分子水溶性キトサン食品)」です。米国と日本で、すでに「心のコントロールのとれない人に対し、改善の効果が期待できる」として、特許を取得済みです。

実際に育児ノイローゼから解放されたお母さん、子どもの情緒不安定が安定してきた、不登校生活に終止符を打ったなど、いくつものケースを臨床の場面で目にする度に、「ヌーススピリッツ」の機能性を改めて感じています。

同時に、身体的にも調子がよくなるため、日常の健康維持のために常食される方も増えているようです。私は、こうした精神科医としてできる専門の立場からしか、少年少女の問題解決に貢献できませんが、少しでも現状が改善し、希望と元気のある健康な人々(親子)が増えて、一人でも多くの方たちが幸せな家庭生活を送ってくれることを願っています。

PROFILE

精神科医 酒井先生のプロフィール

1951年東京生まれ。東京大学文学部卒業、筑波大学医学研究科博士課程修了。
精神科医、医学博士、日本医師会認定産業医、臨床心理士。

現在、ストレスケア日比谷クリニック院長。おもに心身症、摂食障害、気分障害(うつ病)、強迫性障害などの治療に従事。

目次(全20回/予定)
第13回 「うつ状態を防ぐために」
第12回 「更年期を乗り切る」
第11回 「引きこもりについて」
第10回 「育児ストレスの対処法」
第09回 「サンタクロースって本当にいるの?あなたならどう答えますか?」
第08回 「子どもの心とシンクロできる親のインスピレーションを磨く。」
第07回 「子どもたちの健全なこころの育成は大人たちの健全な精神生活にある。」
第06回 「親の考え方が柔軟になれば子どもも自ずと夢を描ける。」
第05回 「子供が抱える悩みは親の抱える悩みと共通しています。」
第04回 「未来から現在を見る。その視点が明るい未来を切り開きます。」
第03回 「親の健康が子供の心を育む。食生活はなによりも大切です。」
第02回 「心と心が通い合う。その第一歩は円満な家庭から始まります。」
第01回 「子供との心の関係性は、大人たちの意識の変化が不可欠です。」