『キレル』という言葉が、世に出てきてから久しくなりました。今では、すっかり生活のなかに溶け込んでしまって、以前のように敏感に反応する人も少なくなってきているのではないでしょうか。慣れとは、怖いですね。
しかし、むしろこのような状況のほうが問題は深刻です。今のわが国では、お母さん方、お子さん方を地域全体で見守り、社会全体で支えるということが、すっかりなくなってしまいました。
そのためかどうか、人々の精神的な問題は、周囲から見てわかるような表面から、家庭の奥深いところに移っているかのようです。自分の子供が何を考えているかわからない、自分の心の物差しではまったく計れないことの連続で、本来親子にあるべき将来や夢を語りあう機会もほとんど持てないというのが実状です。
話は変わりますが、あなたは、UFOを信じますか?神様を信じますか?これは、何も精神世界限定の話ではありません。皆さんは子どものころ、空想を巡らすなかで、目に見えないものの存在への想像をふくらませたことがありませんか。怖いことを想像するときもあったでしょうし素敵な夢もあったでしょう。これは、洋の東西を問いません。
日本には、神話やおとぎ話があり、昔の子どもたちは親から寝しなによく聞かされたものでした。西洋でもカソリックの子どもたちは、旧約聖書を聞かされて育っていきます。子どもたちの心のなかでは、その世界が、まるで映像のように広がっていくのです。
ところが今の日本社会では、大人はもちろん、本来、そうした夢を抱く子どもたちでさえ、目に見えない世界を信じなくなってきています。サンタクロースを信じない子どもの年齢も、少しずつ下がってきているといいます。
心の病や人生の悩みには、いろいろな原因があります。私が、ここで申し上げたいのは、このような文化基盤が心に与える影響も大きいもののひとつだということです。夢やインスピレーションが働かないことは、今の日本の先行きの見えない状況と似ていないとは言えません。
ですから、「子どもたちのインスピレーションを育てる」ことは、実は大人たち自身にも自分の問題として考えてもらいたいテーマでもあるわけです。夢やインスピレーションをもたない大人たちが、子供のインスピレーションを育むことはとても難しいことです。
何よりも大人たちの多くが、そのために心を病んだり、人生に悩んだりしているのです。このような文化的基盤を原因とする病や悩みは他の原因と違って、多くの人々に広まっていきます。 それを防ぐには、まず私たちが自分自身のインスピレーションを高めることです。それは社会的要因(外的要因)や内的要因についてそれぞれを専門的に考えて、さらに総合的にまとめてみつめる視座を持つことが大切だと思っています。そういう所は意識物理学者の半田広宣さんの提唱するヌース理論と重なるところがあります。
実際、患者さん自身が内面の問題だと思っていたら、外的な要因だったり、人間関係のせいだと思っているけど、実は日常の食生活の影響のほうが大きかったり、内と外とが反対だったりすることはよくあることなのです。 実は心と身体というのは不可分のもので、物体である脳が心を持っているということも、どこからが物体でどこからが精神かという大命題につながっています。
私は精神科の薬について、その作用や副作用について考えるときこのような問題を切り離してはならないと思っています。
現在、キトサンの安全性の研究はとても進んでいて、砂糖などの一般的な食品に比べても安全ということがわかっています。低分子キトサンの加工食品である『ヌーススピリッツ』は、薬に見られる副作用がまったくなく、『引きこもり』『ウツ』、ギャンブル狂、買い物狂などの『嗜癖』アルコール等への『依存症』などに高い機能性が見られます。
本当の健康とは、身体や心の問題でもあり、環境や教育の問題でもあります。健康は、どのようにして作っていくかがテーマ。『ヌーススピリッツ』は、これにとても大きく貢献すると思います。
『ヌーススピリッツ』には、夢があります。子供たちのインスピレーションを育む力があります。そして何よりもまず、心悩めるたくさんの大人たちに取っていただいて、夢をもつ子どもたちを、たくさん育ててあげてほしいと思います。
1951年東京生まれ。東京大学文学部卒業、筑波大学医学研究科博士課程修了。
精神科医、医学博士、日本医師会認定産業医、臨床心理士。
現在、ストレスケア日比谷クリニック院長。おもに心身症、摂食障害、気分障害(うつ病)、強迫性障害などの治療に従事。