子どもの頃「お腹を冷やすと風邪をひくよ」と言われたことはありませんか? 実はこのお腹(腸)と免疫の関係は今、明らかなものとなっているのです。
まず私たちの体温は、気温に関係なく常に一定に保つ機能があります。その体温維持に必要なのものが食べもの。毎日の食事を様々な臓器が体内で消化しエネルギーに変えて体温を維持しています。そのエネルギー(熱)が直接伝わるのが腸です。体温が低いということは、腸内に必要なエネルギーが足りていない、血行やリンパの巡りが停滞していることを意味しています。
何より腸にはウイルスや、がん細胞などの異物を排除する免疫細胞・リンパ球が集まっており、腸内が冷えた状態では、それらは活発に働かず、慢性化すると腸内からつながる全身の持つ免疫システムが機能不全を起こしてしまうのです。
また、腸が冷え解消のため、無理に交感神経を働かせることで心のバランスが不安定になることもわかっています。
日本の体温研究の第一人者、東京大学医学部の田坂教授が60年前に行った体温(腋窩温)測定統計によると、当時の日本人の平均体温は36度8分。そこでは37度2分でも健康とする、という時代があったそうです。
一方、現代では低体温化がすすみ、平熱が35度8分~36度2分前後の方が多くなっているようです。たった数十年でなぜ平熱が約1度も体温が下がってしまったのか。その大きな理由は食生活、そして運動環境の変化が原因と考えられています。
基本的に夏が旬の野菜や南国の食べ物や飲み物は身体を冷やす性質があります。しかし農業技術が進み、それらは季節に関係なく食卓に並ぶようになりました。 また精製された炭水化物や白砂糖も大きく体温を下げることがわかっています。
ところで腸と共に体内熱の4割をつくるのが筋肉です。時代とともに重労働や活動量は減ったため、筋肉の発熱不足によって、体温が低下。結果的に免疫機能を持った白血球の活動を低下させているそうです。運動によって体温が約1度上昇させたときの免疫力は一時的にせよ、5~6倍にアップすることがわかっています。
●3つの首を意識的に温める同時ケア
首、手首、足首の3つの首には、血流循環に重要な大きな動脈があります。ここを温めると血流がよくなり、身体の奥(腸)が温かに。カイロなど温活グッズで三か所同時ケアなら速暖!
●足にあるツボを効果的に刺激
身体を温めるツボは足裏の湧泉、かかと上にある三陰交など、特に足に集まっています。場所は大体でも構わないので冷えたと思ったら、押したりもんだり温めたりしてみましょう。
●上着は薄着、下半身は厚着で
室内外の温度変化が激しい時期、上を脱ぎ着しやすいものを重ね着して、下半身は常に厚着を心掛けましょう。特に腸のある下腹部を冷やさないためにも、ヒートテックや腹巻などを効果的に活用しましょう。
●深部体温のための寝室の気温調節
寝室の寒すぎ、暑すぎは、睡眠時の体温調節のため自律神経が活発になり、眠りは浅く、日中の体温調節にも影響がでます。暖房で20℃~22℃にして寝るのが温活におすすめです。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。
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