原因不明の不調を引き起こす自律神経の乱れ。その乱れの要因は日々の生活習慣の積み重ねです。ご自宅で気をつけるべきポイントと解決法をアドバイスいたします!
目覚めから活動を始めるまでの過ごし方は重要!あせらずゆっくりとした朝散歩、朝食がおすすめです
人間の身体は起床後、活動体温や心拍数をあげる必要があるため、自然に交感神経にアクセルをかけます。その際、スムーズに睡眠時の副交感神経から交感神経へと働きを移すことで、その一日の自律神経は安定して働くことになるのです。しかし体調不良やメンタルが弱っている場合、切り替えには普段より時間がかかります。それなのに時間をかけず無理やり活動を始めてしまうと、自律神経は混乱を起こしてしまうのです。
朝、自律神経を整える方法は起床1時間以内に15~30分の散歩をすること。体内時計がリセットされ、切り替えがうまくいきます。また胃に優しい朝食や好きな香りの飲み物も、自律神経の安定に効果的です。
腸を健康にすることで整う自律神経。乱れた腸を整えるには腸内を水分で満たすこと
腸は「第二の脳」と言われるほど多くの神経細胞が集まっている器官で、その健康によって自律神経の働きは大きく左右されます。腸の調子を知るのに一番わかりやすい症状が便秘や下痢の有無。それらが解消されて腸内環境がよくなると、副交感神経の働きが高まり、自律神経が整うことが近年の研究でわかっています。
便秘や下痢が続く場合、腸の正常化の早道は、まず乾いた腸管内を水分で満たすことで、薬などのケアはその後です。ストレスがあると飲みたくなるカフェイン入り飲料は利尿作用によって大切な腸管内の水分を奪いますので、飲みすぎには気をつけましょう。
睡眠前、脳が鎮まる1~2時間が副交感神経を整えるゴールデンタイム
ストレス社会の現代は常に交感神経優位。だからこそ夜、深い睡眠をとって副交感神経を優位にすることが自律神経を整えるカギとなります。人は体内時計の働きで、夜、自然に交感神経にブレーキをかけて眠くなるのですが、液晶の光は交感神経を逆に活性化させてしまい、眠れたとしても浅い睡眠となります。朝起きてからスマホを触るようにしましょう。脳の活性化に役立ちます。
浅い呼吸は自律神経が乱れる原因の一つ。新鮮な空気とともに、深い呼吸でメリハリを
日常的にマスクを着けていると口から酸素を十分にとりこめなくなり、身体は軽いストレスにさらされ続けることになります。それは交感神経の働きを無意識に加速させることになり、注意が必要です。自律神経はその名の通り「自律」して働いているため、意識をしなければ呼吸が浅くなっていることに気づくことはありません。
だからこそ機会を見てマスクを外し、深呼吸を欠かさないようにしましょう。深呼吸で動く横隔膜には自律神経が集中しており、不要な緊張がとけて、自律神経のバランスが整います。
肌への水流の刺激が交感神経を高める。入浴が無理ならシャワーの当て方に工夫を
お風呂の持つリラックス効果や血流をよくする作用は有名です。さらに副交感神経をより優位にするためには、身体の内側の深部体温を高める湯船に15分、首までつかる完全浴がよいでしょう。
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逆にシャワー入浴は、神経が集まる皮膚に強い刺激を与えてしまい、交感神経を緊張させてしまいます。どうしても湯船につかれないなら、シャワーで首のつけ根と後ろ側を温めてください。そこには交感神経の塊があり、頭、肩、首などの血流を調整しています。ここを温めると交感神経が低下して、副交感神経が優位になります。
ファストフード、インスタント食品は避けて
胃は副交感神経優位の時によく働きます。ですので胃のむかつきや食欲不振は自律神経からの不調のサインの一つ。特に質の悪い油は、副交感神経を高める「セロトニン」の生成を阻害するため、胃の不快感としてすぐに現れます。さらにジャンクフードに含まれるトランス脂肪酸は自律神経にダメージを与えることがわかっています。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。
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