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Prevent cerebral infarction before winter.

冬が来る前に脳梗塞予防を

認知症の大きな原因の一つと言われる脳梗塞。脳梗塞にどんなイメージをお持ちですか?年をとってからの病気で健康に気をつけてない方がかかる病気と言うイメージを持っていないでしょうか。
今や若い人でもかかる脳梗塞は増えていて、死亡率がガンに次いで高い病気です。怖いのは死亡までにも至らないとしても、体の麻痺や言語障害などの後遺症が残ること。でも、予防することでそれを回避できるとしたら!冬に急増する脳梗塞の事を今のうちに少しだけ考えて予防しましょう。

脳梗塞とは

脳梗塞は、脳卒中と呼ばれる病気の一部で一般によく使われる言葉ですが、これは病名というよりも一つの症状を意味しています。脳を流れる血管の病変によって、障害をきたすことを脳血管障害と総称していますが、その障害が急激に起きた場合を脳卒中と呼んでいます。さらに脳卒中は、脳梗塞、クモ膜下出血、脳出血に別けられます。

心臓弁膜症・心筋梗塞・心筋症などの心臓疾患・不整脈・高血圧症など、なんらかの原因によって、脳の動脈が塞がれ、そこから先の組織に血液が流れなくなると、血液が運ぶ酸素や栄養分を供給できなくなるために、脳の組織が部分的に壊死します。この状態が脳梗塞です。認知症になる大きな原因です。また、脳梗塞でも血管のふさがり方によって種類が分かれます。1つは「脳梗塞」そして「脳血栓」です。

「脳梗塞」は心臓など脳以外の場所でできた血栓などが、血流にのって流れていき、脳の血管に詰まる場合をいいます。「脳血栓」は脳の血管そのものが動脈硬化を起こし、それによってできた血栓が徐々に大きくなって血管を塞ぐ状態をいいます。

脳梗塞は通常、この2つに分類され、発症状況や症状などは一般の人には区別できませんが、脳血栓も脳塞栓も、脳細胞が壊死した部位によって、現れる症状は異なります。よく知られている症状としては、麻痺、知覚障害、失語などです。また、通常の動作ができない、道に迷う、人の顔が判別できないなどの症状もあります。

あなたは無症候性脳梗塞かも?

無症候性脳梗塞は「かくれ脳梗塞」とも言われています。小さな血栓が脳に出来る隠れ脳梗塞は、50歳では、2人に1人の割合です。
血栓ができて血管が軽く詰まり、脳梗塞の酷い症状が出るまでには至らず、血栓ができても自然に溶けてしまう方も多くいらっしゃいます。私たちの脳の中で、血栓が出来たり自然に流れたりと、こんなことが本当によく起きているのです。痛みも脳梗塞の症状もほとんど無いので本人も周囲もあまり深刻に考えないのですが、病院で「前に脳梗塞を何度か起こしてましたね」と診断されて驚くケースが少なくないようです。

隠れ脳梗塞になりやすい人

隠れ脳梗塞は典型的な生活習慣病です。危険性が高いのは

血圧が高く、不整脈がある
糖尿病の方
高脂血症の方
年配でタバコを吸う習慣のある方
生活習慣病のお薬を常用している方

と言われています。これに当てはまらず、普段から食事に気を付けて、水分を多くとっているから、私は大丈夫なんて思わないでくださいね。誰にでも、降りかかってくる可能性がある病気なのですから。隠れ脳梗塞のサインを見落とさないようにしましょう。

隠れ脳梗塞のサインが出たら、悪くなる前に早めにお医者様に行って、診断を仰ぎましょう。
一旦症状が現れてから、すぐに症状が治まる場合もありますが、その場合も同じです。また、そのサインに気が付くのは、本人ではなく家族という場合が多いです。普段の動作が「何となくおかしい」ことから、発見される場合がほとんどなのです。家族のしぐさを普段から見合うことも大切です。

日常的に行える手軽な対策/水分補給

夏は暑かったり熱中症予防のために水分を多めに摂っていたのに、涼しくなると熱中症の心配がなくなることから、ホッとして水分を摂ることを忘れてしまうことが多いようです。
私達の体は、半分以上が水です。子供は75%、大人は60%、高齢者は50%を水分が占めています。高齢者はもともとの体内水分量が少なく、喉の渇きを感じにくいのです。また、体内で作られる水分も少なく、腎臓の機能が弱まっているため尿量が多く、こまめに水分を取らないと水分がどんどん出て、体に残らないことになります。

体内の水分がわずか1~2%でも不足すると、ボーっとするなどの意識障害が起こります。1~2%と言うと、わかりにくいですが、体重50キロの方であれば、体重から考えて、水分は25㎏。その1%は250ml、2%は500mlです。ペットボトルをイメージしてください。よく見かけるペットボトルは500ml。この量が減っただけで意識障害が起こる可能性があるのです。

日常的に行える手軽な対策/適切な栄養

歳をとったら、あまり動かないから肉など食べる必要がないなんていう方もいますが、活動をしなくても人間が動くにはたんぱく質やビタミン、ミネラルなどあらゆる栄養が必要です。しかも脳は身体の中の臓器の中では断トツの大食漢。脳は体のすべてをコントロールするコンピュータです。心臓や血管といった循環器系や血圧をコントロールしています。また、感情を司ったり、身体を動かすのもすべて脳による指令ですし、息を吸うなどの動きも脳の指令です。私たちが、意識の中で指令しているのとは別に、24時間働いています。
脳はとても働き者ですから、栄養がたくさん必要です。たんぱく質を始め、いろいろな食べ物をしっかり食べることを心がけましょう。

脳にいいものは食事で摂ってるつもりだけど、会話の中で人の名前や言葉が出にくかったり、道を歩いてつまずくことが多くなったり、以前に比べて身体が思うように動かないことが増えてきたら早めに脳ケアをしましょう。

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。

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