健康コラム
Healthcare Column.

毎日をラクにする“考え方のクセ直し”

なにかうまく行かないことがあった時、つい物事を悪い方向に考えてしまうことはありませんか?
その考え方、自律神経のバランスを乱す原因になっているかもしれません。

そのモヤモヤ、もしかして「考えグセ」のせいかも?

私たちは日々、仕事や家庭、人間関係の中でさまざまな出来事に直面します。それ自体は誰にでも起こりうる「事実」にすぎませんが、どう受け止めるかによって気持ちや体調は大きく変わります。
たとえば約束が急にキャンセルされたとき、「自分は大事にされていない」と落ち込む人もいれば、「自由な時間ができた」と前向きに捉える人もいます。この違いを生むのが、その人が持つ「考えグセ」です。

いわゆるネガティブな考えグセには、大きく分けて「白黒思考」「完璧主義」「執着気質」の3つのタイプがあります。これらはいずれも物事を悲観的に受け止めやすく、考え込むだけでは解決策を見つけにくいものです。
解消されないストレスは心を重たくするだけでなく、自律神経の働きを乱し、動悸、不眠、頭痛、胃腸の不調といった体調不良を引き起こします。さらにその状態が続けば、パニック発作や抑うつなど心の症状として現れることもあります。

一方、出来事を柔軟に捉え直せる人は副交感神経が働きやすく、ストレスからの回復力も高まります。つまり「どう考えるか」がそのまま自律神経に作用し、体と心の健康を左右するのです。

ネガティブのモヤモヤを軽く!「リフレーミング」とは

ネガティブな思考の悪循環を断ち切る方法として注目されているのが「リフレーミング」です。リフレーミングとは、出来事を違う角度から捉え直し、心の負担を軽くする心理学的な方法です。

3つの考えグセの中でも、白黒思考の人は特にリフレーミング効果を実感しやすく、一方で、完璧主義や執着気質の人は時間がかかりますが、続けることで少しずつ交感神経の過剰な働きが和らぎ、副交感神経が優位になり、心の緊張が解けていきます。
小さな出来事を柔軟に受け止める習慣を重ねていくことで、ストレスによる心のダメージや体調不良を防ぎやすくなり、深刻な心の病に発展するのを未然に防ぐことにもつながります。

つまりリフレーミングは、心を軽くするだけでなく、自律神経を安定させ、心と体を健やかに保ち続けるための実践的なセルフケアなのです。

「リフレーミング」の具体例

●仕事でのリフレーミング
仕事で失敗 →失敗から学ぶことができてよかった
仕事が山積み→頼られている証拠
クレーム対応→顧客の声を基軽貴重な機会だ

●家庭でのリフレーミング
毎日の家事が大変  →家族が快適に過ごせるのは私のおかげ
価値観の違いを感じた→そういう考え方もあるのか
子供が独立して寂しい→自由な時間が増えて嬉しい

●対人関係でのリフレーミング
連絡返信がこない時→相手も忙しいのだろう
相手が遅刻した時→急なトラブルがあったのかな
部下の仕事が遅い→丁寧に仕事をしてくれて感謝

リフレーミングの「4つのステップ」

ステップ1.事実を客観的にとらえる
感情に流されず、事実をありのままに認識しましょう

ステップ2.別の視点を探す
「もし〇〇だったら」というように、別の角度から物事を見て新たな意味や価値を見出しましょう。

ステップ3.肯定的な言葉で表現する
ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えることで、気持ちも前向きになります。

ステップ4.具体的な行動につなげる
とらえ方を変えるだけでなく、具体的な行動に移すことで、より効果を実感できます。

前向きな思考習慣が心に余裕を、毎日をラクに!

リフレーミングに関する最新研究では、習慣的に実践することで瞬の働きが少しずつ切り替わり、ストレスに強い心の反応が形づくられることが報告されています。さらに、長期的にはうつ病や不安障害のリスク低下にもつながることが確かめられています。

また、視点を切り替える習慣は、自分一人の心を軽くするだけにとどまりません。
人間関係の衝突を和らげたり、仕事や生活の場面で新しい発想を生みやすくするなど、日常の質そのものを高めることにもつながります。リフレーミングは、前向きな行動力や創造性までも育ててくれるトレーニングなのです。

今回紹介しているリフレーミングの「4つのステップ」は、そうした研究成果を日常生活に落とし込むための実践法です。難しく考えず「今日はステップ3だけやってみよう」「明日は別のステップを試してみよう」といった小さな挑戦でも十分です。

大切なのは完璧にやろうと気負うことではなく、続けること。たとえ小さな一歩でも、その積み重ねがやがて習慣となり、自律神経を安定させ、心と体を支える大きな力となっていくのです。

※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。

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