私たちの体は約60兆個の細胞で構成されており、時間とともにこれらの細胞は徐々に老化していきます。
この過程で、働かなくなった「老化細胞」が現れ、健康上の様々な問題を引き起こすことがあります。
老化細題は、ただ働かなくなるだけでなく、炎症を引き起こす物質や体に害を及ぼす物質を出し続け、周囲の元気な細胞にも悪影響を与えます。これらの物質が作り出す「炎症の環境」は、体の防細機構が過剰に働いてしまう状態で、慢性的な病気やがんなどの生活習慣病のリスクを高めます。
たとえば、動脈硬化の場合、老化細胞から出る物質が血管の内側を傷つけ、血管を硬く厚くします。これにより、心臓病や脳卒中のリスクが高くなってしまいます。そして特に注意したいのが、老化細胞とがんとの関連です。老化細胞が作る炎症の環境は、がん細胞の成長を助けたり、遺伝子にダメージを与えて、がんを引き起こしやすくします。
現代医学では、こうした老化細胞をうまく取り除く方法の研究が進められています。この研究が進むことで、健康で長生きする道が開けるかもしれません。老化細胞のコントロールは、未来の私たちの健康を守るための最も重要な研究部分です。
『Nature(オンライン)』で2021年5月21日に公開された研究によると、全身を巡る免疫細胞自体の老化が身体全体の老化に大きく影響することが示されました。
この研究では、マウスの免疫細胞のDNAにダメージを与えた結果、免疫細胞が老化し、それが体の他の部位の老化を促進することが明らかになりました。一方で、若い免疫細胞を移植すると老化プロセスが遅くなることが判明し、免疫細胞の老化を防ぐことの重要性が強調されています。
体内で老化した細胞が蓄積すると、慢性疾患だけでなく、シミやシワのような見た目の老化も進行します。しかし、これらの老化細胞を効果的に除去し続ければ、新しい健康な細胞の生成も促進され若さが保てるのです。
免疫力が20%向上すると、見た目年齢が10歳若返るという研究結果も存在します。免疫力は若さを保つための重要な要素と言えるでしょう。
免疫力は加齢とともに低下していきますが、一説では“獲得免疫”は40代になると20代の半分にまで低下すると言われています。
この“獲得免疫”は文字通り、身体に取り込み獲得する免疫力を指します。
つまりは積極的に“獲得免疫”対策を行うことが、あらゆる健康や若さ対策につながるといえるでしょう。
免疫力アップの秘訣はやはり「生活習慣」と「食事」です。
適度な運動と休養、日々のストレスケア、食生活。健康的な生活を送るにあたっても当たり前の秘訣ですが、すべてを完璧にこなせる方は少ないのではないでしょうか。
そこで全ては難しくとも、おすすめしたいのは食生活の工夫。腸内環境の向上は免疫力に直結しやすいためです。ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品。水溶性食物繊維、良質なタンパク質は代表的な食材です。
さらに効率的、効果的に免疫力を向上するためには優れたサプリメントも極めて有効です。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。
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