血液は、食事で消化された栄養素や吸い込んだ酸素を全身に巡らせ、生命維持に必要なエネルギーを供給するという主要な役割を担っています。しかし、それと同じくらい重要なのが、体内に侵入した細菌やウイルスを発見し、迅速に排除する免疫システムの要、白血球を感染した部位へ運ぶことです。
白血球は特に異常がなければ、血流に乗って身体の隅々を巡回しています。しかし、ひとたび病原微生物を発見すると、血管内を自由に動き回り、感染現場に迅速に駆けつけることができます。しかし、血液の流れが滞ってしまうと、白血球の巡回や迅速な対応に支障をきたし、免疫機能が低下してしまうのです。
現代医学の進歩は目覚ましく、特に血液と免疫の関係に関する研究が急速に進展しています。例えば、血液検査を用いたがんの早期発見技術や、遺伝子編集を活用した難治性血液疾患の治療法の開発が進んでおり、これらは医療の大きな変革をもたらすと期待されています。
また、血液の健康への影響に関する研究では、鉄分などの一般的に知られる栄養素だけでなく、これまであまり良くないとされていた栄養成分が、実は血液の質を高め、免疫の働きを促進することが明らかになっています。これらの発見により、従来の食事療法に対する考え方に新たな視点が加わり、食事療法の方法も変化しています。
血液の流れの滞りは、貧血、高血圧、低血圧、高血糖、高脂血症といった形で現れることがあります。これらの状態は生活習慣病とも呼ばれ、研究によって免疫機能の低下につながる要因であることが明らかになっています。このため、最近では血圧の基準値や血液検査の数値がより厳格に設定されるようになりました。
また、血液の状態は体調全般に直接影響を及ぼすことがあります。これは血液の問題が免疫機能の低下に直結するためです。したがって、体調不良を感じた際には、まず血液の流れの滞りを解消することが重要なのです。
血液の流れを円滑にし、その質を高める最良の方法は、日々の生活習慣にあります。まず重要なのは「食」。
栄養素はもちろん重要ですが、血液と免疫に焦点を当てる場合、油の選択が重要になります。
次に、水分摂取の重要性を忘れてはいけません。実際、高血圧や低血圧の問題を抱える多くの人が日常的に水分を十分に摂取していないと指摘されています。
最後に、「心」の健康も大切です。ストレスは血圧に悪影響を与え、慢性的な免疫低下を引き起こすことが知られています。健康的な血の巡りを維持するために、これら三つのポイントに日々気をつけて、より健康的なライフスタイルを送りましょう！
［1］血液に優しいオイルを選ぶ
血液の質を高めるオイルとして、魚の脂肪酸（サーモン、マグロ、イワシ等に含まれる）やオリーブオイルがおすすめです。パーム油やマーガリンのようなトランス脂肪酸が多い油や、特に古くなった植物油は、血液の質を悪化させる可能性があるため、避けるべきです。
［2］十分な水分摂取
体内の水分不足は血液の粘度を高め、血液の流れを遅くし、免疫細胞の循環を停滞させることがあります。日常的に、そして特に汗をかいた後は、水分を多めに摂取することが重要です。これにより、免疫細胞が全身をよりスムーズに巡ることが可能になります。
［3］ストレス軽減で血圧安定
ストレスは血圧を上げ、体を慢性的な炎症状態に陥れることがあります。これは免疫システムに負担をかけるため、普段から深呼吸、瞑想、趣味の時間などを取り入れることが大切です。心の安定は血液の健康を保ち、免疫の働きを活発化させてくれます。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。
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