病気の原因として、これまで「炎症」「酸化」が注目されてましたが、近年特に注目されているのが「糖化」です。
糖化とは、食事によりタンパク質と糖や油が結合して細胞などを劣化させること。そして糖化が進むとAGEs(蛋白糖化最終生成物)という老化物質を生成します。この老化物質であるAGEsは分解されにくく、蓄積すると肌や髪、骨など全身の老化を進行させ、さらに体調不良や様々な疾患を引き起こす原因となります。
糖化を引き起こす糖は「ブドウ糖」と「果糖」の2種類です。ブドウ糖の元は砂糖と炭水化物です。ブドウ糖は生命活動のエネルギー源ですが、摂り過ぎて余ってしまったブドウ糖は、タンパク質や脂肪と結びついて悪玉の老化物質AGEsに化けてしまいます。
一方、「果糖」は、食事や清涼飲料水から摂ると、そのまま腸から吸収され、血液中に入ると速やかに細胞内に入っていきます。果糖はブドウ糖の10倍以上の速さでタンパク質や脂肪を糖化させて老化物質を量産します。
またAGEsは糖の影響だけでなく、飲酒や喫煙、脂質の過剰摂取といった様々な要因によっても生成されることがわかっています。また、酸化ストレスや紫外線によっても糖化反応が起こることがわかっています。
「甘いものを食べないから大丈夫」そう思う人もいるかもしれません。
しかし現代では野菜も果物も糖度が上がっていて、食べ過ぎでなくても普通に食事をしていても糖を摂りすぎている可能性があるのです。現代人にとって「抗糖化」対策は健康を維持するためにはとても重要と言えます。
一方で酸化とは、増えすぎた活性酸素が細胞やDNAなどを傷つけ、劣化させてしまう現象のことを言います。血管を傷つければ、脳卒中や心筋梗塞に、細胞にダメージが蓄積すれば、潰瘍や腫瘍を招きます。活性酸素には、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酵素の4種類がありますが、生体損傷の多くはヒドロキシルラジカル1種によるものとされています。
通常は体内の抗酸化酵素によって活性酸素は分解されますが、この酵素もタンパク質でできているため、糖化の影響を受けてしまします。抗酸化酵素が糖化し働きが弱ると、酸化が進行し、細胞や遺伝子が傷ついて糖化に対する抵抗力を失ってしまします。まさに不の連鎖です。
抗酸化を対策するには、抗糖化も同時に対策することが重要となってくるのです。
糖化酸化を防ぐためには、やはり食生活の見直しが直結します。
まずは精製・加工食品を取りすぎないこと。バランスの取れた食生活を心がけることです。
食事面においては特に抗酸化作用の高い食品を摂るとより効果的です。お茶に含まれるカテキンの抗酸化作用は有名ですよね。
食品分析開発センターによれば、抗酸化作用の高い食べ物としては次の食材が挙げられます。
野菜類ではパプリカ、ピーマンを筆頭にエリンギやトマト、玉ねぎ。
果物では、レモン、キウイ、いちご、オレンジ等。
美容・健康のためにも積極的に取り入れてみられてはいかがでしょうか。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。
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