健康コラム
Healthcare Column.

最新調査でわかる「心と食生活の関連性」

以前からビタミンB群(主に野菜)やオメガ3脂肪酸(魚類に豊富)の不足はメンタルバランスに影響を及ぼすと考えられてきました。しかし、コロナ禍で行われた調査によって単に栄養を摂るだけでなく、食品選択や食事習慣が心の健康に重要であることがわかってきました。今回は最新調査を元に、心を守るためのアドバイスを特集します。

血糖値の急激な変動は危険

脳は糖を主なエネルギー源として利用しますが、過剰な糖の摂取は注意が必要です。特に、精製糖は果糖などに比べて血糖値を急激に上昇させ、その後急に下降させます。この一連の過程が繰り返されると、脳神経にダメージを与え、感情の不安定さを引き起こすことがわかっています。子どもたちは高糖分の飲食物を好む傾向があります。糖の摂取を制限せずに許す環境こそが、心の健康を害する可能性があるのです。

カフェイン摂取の日常化

カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶、清涼飲料(コーラやエナジードリンク)、チョコレート菓子にも含まれています。不安やストレスがある時、カフェインの覚醒効果は安心感を与えまるため、常飲する人も多いですが、集中力や思考力の低下や睡眠障害を招く可能性があります。

さらに、カフェインの強い利尿作用により、心のバランスを保つための栄養素が尿と共に排出されることもあります。

今、取り組むべき「食育」の重要性

家庭での食事における不足が見られる栄養成分は、カルシウム、鉄、そして食物繊維です。例えば、日本の食物繊維の摂取量は、1970年以降、減少傾向にあります。現代では、野菜を食卓に並べる習慣は増えてきていますが、それでも多くのご家庭の食卓で、十分な量を摂取するのは難しく、必要な量を摂取できている子どもは少ないようです。

このため、家庭や学校での食育教育の重要性が増しています。食べ物が何から作られていて、それがどのように心と体に影響を及ぼすかを理解することは、単に栄養バランスを整えるだけでなく、子どもたちの食への興味や知識、社会性を育て、心の健康を支える重要な一環となります。毎日の食事で心を守るために、食の重要性を共に学んでいきましょう。

心のための食アドバイス

●毎日大さじ1杯のすりゴマを

情緒的な問題を抱える子ども(大人含む)の血液を検査すると、亜鉛不足が見られることがあります。亜鉛を適切に摂取することで、心の状態が改善することが、多くの研究で示されています。亜鉛を豊富に含む「すりゴマ」を食事に取り入れてみましょう。ご飯やおかず、サラダに振りかけたり、ソースやマヨネーズに混ぜても美味しいです。

●子どもも大好き、ポタージュスープ

脳と腸は、自律神経系を介して双方向に情報を交換し、互いに大きな影響を及ぼします。食物繊維は腸を良好に保つ役割を果たし、不安や過度なストレスの緩和が期待できます。食物繊維が豊富な食材には、玄米、芋、ごぼう、きのこなどがあります。食感が苦手な子どもでも、ミキサーで細かくし、ポタージュスープにすることで、美味しく食べられます。

●おやつにミックスナッツ

私たちの体内にあるマグネシウムは、精神的ストレスにより減少し、これがうつ病発症に関系することがわかっています。おやつにナッツを取り入れることで、手軽にマグネシウムを補うことが可能です。ナッツや、自然な甘みを楽しめるくるみなどがおすすめです。

※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。

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