健康コラム
Healthcare Column.

自律神経と食事

なぜかイライラ……その原因は栄養不足かも!

自律神経は私たちの身体の様々な機能を自動的に制御しています。心拍数や消化といった身体機能だけでなく、イライラや落ち込みを防ぎ、心を平穏に保つ役割も果たしています。そして、自律神経の健全な働きを維持するためには、実は栄養が大きな役割を果たしているのです。

自律神経の中で、特にストレス対応やリラクゼーションの機能は、適切な栄養素の供給により支えられています。例えば、ビタミンB群は神経伝達物質の生成を助け、腸機能や睡眠パターンの調節に役立ちます。また、亜鉛というミネラルも自律神経の機能を正常に保つために必要な栄養素です。

世界的にも注目!自律神経を整える「地中海食」

地中海食とは、地中海沿岸地域の伝統的な食事スタイルを指します。ギリシャ、イタリア、スペインなどの国々で見られる料理や食生活がその基本を形成しています。 その特徴は、野菜や果物、全粒穀物、そして魚や豆類、ナッツなどのたんぱく質源を中心に摂ることです。これらの食材はビタミンB群や食物繊維、心と脳の健康を支えるオメガ3脂肪酸を豊富に含んでおり、自律神経がスムーズに働くための燃料となります。。

また、地中海食の象徴であるオリーブオイルやワインは、心臓病のリスクを下げるだけでなく、自律神経のバランスを保つのに役立ってくれます。 そして、地中海食の最大の魅力は、食事そのものを楽しむ地中海沿岸のライフスタイルにあります。このライフスタイルはストレスの軽減と自律神経の調整に効果的です。食事は単なる栄養摂取の手段ではなく、生活の一部として楽しむべきもの。地中海食は単なる栄養摂取だけでなく、食事を通じて心の安定や幸福感をもたらしてくれます。

「日本食」が持つ癒やしの力

日本食は、そのヘルシーさと自然の恵みを活かした繊細な調理法で世界的に人気を集めています。また、その健康効果に加えて自律神経の調整にも役立つことが注目されています。 和の献立の特徴は、豊富でバランスの良い食材選びにあります。旬の新鮮な野菜や魚、海藻類にはミネラルや食物繊維がたっぷり含まれており、味噌や納豆などの醗酵食品は心と脳を保護し、自律神経の働きをサポートします。

さらに、和食の中でも懐石料理は食事以上の価値を持っています。美しい盛り付けや独特の食器、食材の色と形の調和が一つの芸術作品に昇華しているからです。この洗練された食事体験は、自律神経のバランスを整える助けともなってくれるのです。

腸内環境を乱す食事は自律神経に悪影響を及ぼす

腸内には多種多様な細菌が存在し、腸内環境の乱れは心理状態にも影響を与えることがわかっています。 まず、高脂肪食や高糖質食、加工食品、過度のアルコール摂取などの食事は、腸内細菌のバランスを乱す可能性があります。これらの食品を過剰に摂取すると、有害な細菌が増加し、腸内細菌のバランスが容易に崩れてしまいます。

さらに、精製され過ぎた穀物や人工甘味料などの摂取も腸の環境を悪化させることがわかっています。腸内細菌は、日々の健全な食習慣によってのみ整えることが可能です。心のバランスが不安定だと感じる方は、腸内細菌を活性化させるために、より自然な食品に重点を置いた食事を心がけましょう。

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。

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