健康コラム
Healthcare Column.

紫外線対策で身体も守る

紫外線量のピークは7月・8月ですが、9月となっても気を抜くことはできません。
太陽の角度は段々と低くなりますので、これまでの降り注ぐような紫外線からまんべんなく全体に当たりやすい紫外線に変わってきます。

紫外線対策は何のため?

紫外線対策の目的は何でしょうか?やはり「日焼けしないように」という美容の目的がまず多いと思います。しかし、紫外線は、単純に肌が焼けて黒くなるという、目で見てわかりやすい変化だけでなく、病気に繋がるダメージにも関わっていることをご存じでしょうか?

適度に紫外線を浴びることは、健康を維持するためにも必要です。紫外線を浴びるとビタミンDが体内で生成され、骨を強くしたり、認知症やうつの予防にも役立つことがわかっています。しかし必要以上に浴びると「健康被害」を引き起こすこともわかっています。

紫外線が関係していると考えられている病気

紫外線は、主にオゾン層や成層圏に吸収されるため、地上に届くのは数%。
しかし、オゾン層の破壊によって地上に届く紫外線の量が増えてきているので、日焼けが気になる女性だけでなく、赤ちゃんからお年寄りまで全ての人に紫外線対策が必要です。紫外線による皮膚の老化は10代から始まっており、一生の間に浴びる紫外線の半分を18才までに浴びると言われているので、特に子供の頃の紫外線対策が重要です。

(1)DNAに影響
遺伝情報を担うDNAは無傷であるべきですが、実際は活性酸素、紫外線、放射線、化学物質などの内的・外的要因により日常的に傷つけられています。もともと人体にはこの紫外線による遺伝子の障害を修復する機能が備わっていますが、慢性的に何度も紫外線を浴びているうちに遺伝子の損傷が蓄積されて、悪性、良性を含めた皮膚の腫瘍が発生します

(2)皮膚に影響
肌の老化は約8割が紫外線によるものです。ある実験では、50代の表皮細胞は、同じ紫外線照射量でも新生児細胞より細胞生存率が低く、著しくダメージを受けやすいことが近年の研究でわかりました。加齢とともに紫外線ダメージを受けやすくなることは、老化を加速させる要因のひとつです。

(3)目に影響
白内障は眼科疾患の中で最も多い病気の1つで、見え方の質が低下し、進行すると失明に至ります。白内障には80以上のタイプがあると言われていますが、加齢によって発症する白内障には3つの代表的なタイプがあります。その中でも日本人で最も多く見られる皮質白内障というタイプは紫外線の影響が強いと言われています。

紫外線防御剤の種類はどんなものがある?

日焼け止めの紫外線防御剤は大きく分けて2つあります。「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」です。一般的には、合成化学物質である紫外線吸収剤が使用されているものが多いですが、皮膚への刺激や環境への悪影響が懸念されています。

比較的刺激が少ないとされる「散乱剤」タイプですが、塗布時に白くなりやすく、万人向けではありません。最近では、吸収剤と散乱剤のどちらでもない“新しい紫外線防御剤”も開発され、人にも環境にも優しい日焼け止めが発売されています。

SPF値は高ければ良いの?

日焼け止めには必ず「SPF値」と「PA値」が記載されています。SPFは紫外線B波(UVB)に対する効果を表しており、2~50まで表されています。なんとなく、値が高い方が紫外線をしっかりブロックしてくれる!とイメージしてしまいそうですが、実はそうではありません。

実は、SPF15以上では、20だろうと50だろうと効果はそんなに違いません。例えばSPF2では紫外線透過量が約50%、SPF4では約25%、SPF8では約15%、SPF15では約10%、SPF30では約5%以下となります。SPF15以上になれば紫外線透過量は10%以下となり大きな差はなくなるので、日常生活はこれで充分です。

※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。

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