弊社念願の猫砂を扱うことができてとても嬉しいです。
まずは狩野様がペット業界に携わることになった経緯をお聞かせください。

こちらこそありがとうございます。歳を重ねていくにつれ自然と気持ちがシフトし社会の役に立ちたいと漠然と思っていた気持ちが一層強くなりました。そんな時今回の新ブランド立ち上げの声がかかり、私自身長年ペットを飼っていること、ペット業界を通して出来ることの可能性を感じて入社することとなりました。

長年ペットを飼っていらっしゃるのですね。
普段ペットとの生活で幸せなことは何でしょうか？

小さな頃から犬、そして現在は猫を飼っているので、動物のいない生活の方が短い気がしています。動物が大好きなので、苦労だと思うことはないですが、自分の思うようにいかないことは勿論あるかと思います。

私の場合は保護猫で一匹が猫エイズ陽性でした。迎えたばかりの頃は動物病院に何度もお世話になりましたし、勿論お金もかかります。ただ帰ると玄関までお出迎えしてくれる姿に毎日可愛くて仕方ないです。粗相した時は分かりやすく物陰に隠れていますが (笑)。

その姿を想像するだけでとても癒されます (笑)。
ホイッポというブランド名に込めた想いを教えて頂けますか。

Hoippo (ホイッポ) という名前は、歩一歩という言葉からきています。
一歩進んだ先にはより良い一歩があると信じて前進していく意味を込めています。

ホイッポと聞くだけでとても前向きな気持ちになりますね。

固まりやすく、消臭力もある猫砂は私も愛用させていただいております。シーツも使い勝手の良さからたくさんの良いレビューを頂いています。狩野さんにとっての商品の魅力を教えて下さい。

そのようなお声を頂き嬉しいです。猫砂に関しては、パッケージも込みで100％自然由来成分で作られています。またシーツに使用されている成分も、焼却時のCO2 排出量が他のプラスチックと比べ最小値といわれる植物由来のPLAを採用しています。この自然由来成分の安心感があるのではないかと思います。

私たちの商品は環境配慮だけでなく、機能性や安全性をまず重要視しています。「この商品使いやすいな」「この商品何か凄く良い」そんな便利な商品が自然とエシカルに繋がり、皆様が楽しく日々商品を取り入れながら、気づかないうちに自然と環境に配慮できている、そんな商品を目指しています。安心して便利にご使用いただけるブランドという魅力を感じて頂きたいです。

毎日使用するものなので、無理をしすぎると疲れてしまったり、長く続かなかったりするので、気負わずに毎日の生活の中で自然と環境に配慮ができるのは大変ありがたいです。
シーツに関して、高品質であるにも関わらず、とてもコストパフォーマンスが良いとお客様からお声がありました。リーズナブルな理由はありますか？

植物由来ペットシーツに関して、リーズナブルかどうかは皆様の感覚にお任せではありますが、私たちは問屋という間に挟む企業様を通していません。非常に高い原材料コストを弊社からの直接取引を条件として販売いただくことで、中間コストを下げバランスを取っています。

消耗品なので、続けやすい価格であることはとても嬉しいです。

エシカルという言葉が先ほど出てきましたが、エシカルというと「物が作られるために必要な環境や、作っている人の労働環境などに気を配ることで、自然環境などを思いやりながら消費する」ことですよね。エシカルにこだわった理由を教えて下さい。

戦後高度経済成長期を経て、今度は大量生産・大量消費に対する環境の負荷や影響によって「エシカル」「サスティナビリティ」という言葉をよく耳にする時代が来ました。
世界では今まで経験したことのない災害が次々と訪れ、環境への意識が高まりつつありますが、日本は元々災害の国ですし、正直環境に対する危機感も湧きにくいかもしれません。ですが世界中の科学者が声をあげているように気候変動や環境負荷は日々増加傾向にあり、これからの世代に沢山の制限が出てきてしまうと言われています。
日本は元々割れた器の金継ぎや布のハギレの再利用など、世界の中でもとてもサスティナビリティの強い国だったといわれています。私も小さい頃は祖母からよく「もったいないよ」と言われていた記憶があります。お味噌汁で食べたしじみの殻ですら、可愛い布を貼ってキーホルダーに変えてしまう器用な祖母を子供ながらに「凄い！」と感じていた記憶がありました。
エシカル、というと固い言葉に聞こえてしまうかもしれませんが「ものを大切にする」というのも一つのエシカルです。そう聞くと、とても大切なものですよね。

なるほど。「ものを大切にする」という気持ちが自然と環境そのものを大切にするという考えに繋がっていくと考えると身近なものに感じます。
ですが、ペット業界にはまだエシカルという動きが少ないように感じます。ホイッポが考えるエシカルについて教えてください。

そうですね、日本のペット業界はまだまだ価格競争が激しいと感じます。私たちが考える「エシカル」というのはエコな容器やリサイクルだけではありません。例えば、有機野菜であれば土壌を汚さず生態環境も守られると言われています。発展途上国の有機認証を得ている農家では、収入に大きな差があり子供が学校に行ける行けないという差が出ると言われています。例えば原料も全て日本産で商品を作れば、海外から原料を輸入しないので輸送時のCO2 排出量の削減、地産地消として、そして商品を海外へ販売する際にも、日本国内の活性化に繋がります。どういった行動がどのような影響を与えるのか、私たちはそのような「エシカル」を常に考えています。

当たり前の生活の中に、自分たちができることは何かを考えることがまず重要ですね。そのような環境に配慮し、更に機能性まで追求し、常によりよい商品を開発・改良していく中で大切にしていることはありますか。

諦めないことと柔軟に考えることは仕事において特に大切だと感じています。商品一つ一つに一切の妥協なく向き合っています。諦めさえしなければ、ある時期に急に叶うときがあると思います。そしてどうしても前に進めない時は柔軟に視点を変えてみる。そうすると途端に良い流れがくる、その繰り返しかもしれません。

ありがとうございます。おっしゃる通りですね。
商品の開発で苦労されたこと、大変だったことはありますか。

全てにおいて壁に当たったことかなと思います (笑)。何一つ順調に商品化できたものはありません。「現実的じゃない」と厳しい言葉も沢山いただきましたし「前例がない」と連絡が途絶えたこともあります。どの商品もそんな事を経てつくられたんだと笑って欲しいです (笑)。

そのご苦労のおかげで素晴らしい製品をお客様に紹介できることがとても嬉しいです。現在販売の猫砂は固まるタイプですが、システムトイレ用の固まらない猫砂を開発されていると聞きました。進捗を教えて頂けますでしょうか。

有難うございます。システムトイレ自体は、日本が発祥で日本のメーカー様が沢山の特許を取っているため、製造できる工場も基本国内に限ります。海外ではまだシステムトイレの需要はありません。今試作を重ねておりますが、私たちが企画しているシステムトイレの猫砂は、化学合成物質を一切使用しないものを大前提として、工場様の長年の知識とご経験をフル活用し開発頂いております。そして使用感や機能性に関しては「まあまあ」ではなく「使いやすい」を目指しています。
エシカルなものは原料コストがかかり、それでいて私たちも品質の高い原料を選ぶことから、どうしても通常の商品より価格が上がります。価格が通常より高いのに使用感が「まあまあ」なんて、私たちにはもっと出来ることがあると信じています。
今ここで言い切ってしまったので、自分自身を鼓舞しています (笑)。難しい挑戦ではあるので、もう少々お時間いただきますが、楽しみにお待ちいただけますと嬉しいです。

システムトイレ用の猫砂で化学合成物質を使用していないものは、使用感があまり良くないものが多いので、弊社でも現在取り扱いがございません。ぜひホイッポで画期的な猫砂が販売されることを期待しております。
本日は貴重なお話をありがとうございました！