2008年6月19日
コンタクトその3
コンタクト2からのつづきです。
半田 いやいや、太陽系自体はもっと次元が高い世界だよ。
『シリウス革命』にも書いていたように、太陽系の惑星一つ一つがそれぞ
れに違った5次元の方向性を持っているんだ。
太陽系の諸惑星はそれぞれが太陽を中心に回っているけど、それらの軌
道というのは、ある意味、その違った5次元世界の現れでもあるんだよね。
藤本 つまり、一般に考えられているように、4次元時空の中に太陽系が
あるんじゃないってことですね。
半田 うん、惑星ひとつひとつが5次元の存在だから、4次元時空は地球
の中に閉じ込められた世界だと言えるかもしれないね。
地球から広がる時空、火星から広がる時空、金星から広がる時空、それ
ぞれが全く別の世界だってことなんだよね。
藤本 そうかあ。地球を含めそれぞれの惑星が持っている意識活動から、
それぞれの惑星から広がる時空は、5次元の方向性へ広がっているとい
うことですね。
そのことを認識することで、4次元時空から5次元へと意識上昇すると...?
それって端的に言うと意識の繋がりを感じる方向性ですか?
半田 そうだね。一言でいうと、5次元への次元上昇というのは僕らが自
他のカベを乗り越えて、より大きな自意識を持つことと同じ意味を持って
いる。その意味では、藤本さんのいうように、他者との意識の繋がりを感
じ取る方向性と言っていいかもしれないね。
藤本 この映画の主人公エリーが宇宙から帰還して感じた『わたしたち
は大いなるものの一部で、すべてが繋がっている。』何とも説明のしよ
うがない実体験として映画では描かれていますよね。
そして、その言葉に共鳴するたくさんの人々が最後のシーンに出てきま
す。私たちが生み出してきた文明や歴史・宗教・哲学・・・・などが行き詰
まり、何か新しいものを生み出そうという方向性を強く感じられたシーンだ
ったと思います。
その方向性の道標が、まだまだ生み出されていないのだと思うのですが、
その道標となるものが5次元への扉に立つことで、理解し始めるんですね。
半田 『わたしたちは大いなるものの一部で、すべてが繋がっている。』
というエリーの言葉、よかったよねぇ~。じ~んと来たよね。
まさに、このつながりを知性で明確に描き出そうと試みているのがヌース
理論と考えていいんじゃないかな。
「わたしたちは一つ」「世界は一つ」ってムードで言ってみても、やはり世界
は何も変わらない。
大事なことは、その「一つであることの有り様」をどこまで具体的にイメージ
できるかってことだと思うんだ。しかし、残念ながら、4次元時空をベースと
する宇宙観の枠組では、その繋がりを明確にすることはできない。
人と人の繋がり、そして、わたしと世界との繋がりは5次元をベースに作ら
れているとヌースは考えている。
だから、世界の繋がりを俯瞰するためには、少なくとも5次元の視座に立つ
必要があるわけだね。
それが生まれてくれば、人間の自我を支配している頑ななエゴの殻も自然
と融解していくんじゃないかと思ってるんだ。
藤本 4次元の固いカベを突破して5次元を具体的にイメージすると、『頑な
なエゴの殻も自然と融解していく』って、凄く困難なような気がしますが・・・?
しかも、5次元は別世界のほんの入り口で、スタート地点なんですよね?
半田 普通に考えれば不可能だよ。人間の認知能力は3次元に限られてい
るわけだし、そもそも4次元時空という考え方すら一部の科学者を除いては
正確に理解されていないよね。でも、こう考えるとどうだろう。
例えば今から100年前に、現在のような 科学技術の進歩を想像できた人が
何人いるだろうか。科学の進歩は百年前に不可能と思われていたことをか
なりの部分可能にしている。
この進歩を可能にしたのはやはり人間の意識なわけだね。この 進歩の働き
がこれから先、人間の意識そのもの側に回り込むとしたらどうだろう?
今は到底不可能に思えても、ガラリと意識の在り方が一変する可能性だっ
てあるんじゃないだろうか。
物質的なものと意識的なものは別だ、って考える人が多いかもしれないけど、
そうした分離認識自体を僕らは改めるときが来てると思うよ。
藤本 確かに半田さんのおっしゃるとおりですよね。僕が生まれてからでも、
かなりのスピードで科学が進歩していると思います。
宇宙開発・通信技術・医療技術・・・。コンピュータなんか日進月歩変わりま
すよね。仕事で毎日使っていますが、ついていくのに精一杯です。置いて
行かれそうですよ(笑)。
今までは4次元方向の科学技術が進化し続けてきて、今からは5次元方向
の科学技術が進化していくということですね。物質的に極めていた結果、科
学技術 は進化したけれど、人間の本質的なものを置き去りにしてきた。
物質を究めれば、意識が見えてきた。次世代は、物質と意識を統合する全く
新しい科学技術が生まれて来るんですね。
半田 少なくとも僕はそう確信している。技術がこころを持つ時代というのか
な。僕の考えでは5次元は自他の区別がない世界のことだから、そこから出
現してくるテクノロジーというのは、文字通り、人間の中にある倫理的な力に
よって作動するテクノロジーじゃないかと思ってる。
だから、そうしたテクノロジーを学ぶことは、そのままエリーのいう『大いなる
もの』を学ぶことにつながる。
また、そうしたテクノロジーが出て来なければ、地球環境は数十年のうちに人
間が住めないような状況になってしまうよ。
今はほんとうに滅亡か進化かの瀬戸際だと僕は思ってる。
藤本 ほんとそうですよ。テクノロジーの発達が、私たちの住む地球を破壊し、
私たちが住めないようにしてしまい、行きつく先は滅亡しかないのかという時
代に突入していると思います。古代の戦争は、槍とか斧だったけれど、今じゃ
核爆弾ですよ。一度に何万人どころでなく、核を保有している国が全部使って
しまったら、地球に住むほとんどの人間が死滅してしまいますよね。
半田さんと一緒に観た映画『アイ・アム・レジェンド』(ウィルス感染により人類
が絶滅したニューヨークで、たった1人生き残った男の奔走を描いた作品)の
世界ですね。
戦争被害や環境破壊による地球温暖化もそうですし、新しいウィルスもそうで
すよね。今の人類は、もちろんのこと次世代の人類のことを考えると、滅亡より
も進化のほうがいいんですけどねえ?
半田 次の世代、たとえば、藤本さんには二人の男のお子さんがいるけど、彼
らが僕らの年になる頃は、地球は今のような環境では全くなくなっていると思
うよ。メディアは実態を流すことを恐れて人々に知らせないけど、ほんとうに地
球環境はこの20年で激変しているんだよね。でも、世界の趨勢は未だに経済
成長が一番の価値であるかのように動いている。
僕なんか、全く理解に苦しむよ。
藤本 息子たちは、将来どうなってしまうんだろうって、妻と話し合う機会も多く
なってきましたよ。全てが繋がっているというイメージが無いからなんですよね。
今、自分さえ良ければ、自分の国さえ良ければと自動的に思考してしまう。
悲しいことに地球がダメなら月か火星など他の星へ移住できないかと真剣に
考えている人々もいるでしょ。なんだか滑稽ですね。
半田 まさに「不都合な真実」はすべて隠されて、都合のいい真実モドキだけが
情報という名のもとにメディアを覆い尽くしている状況だよね。だから、僕はここ
らで不可能を可能と見れるような意思と、その意思に基づいた新しい思考が必
要なんだと思っているんだよね。何事も意思がなくちゃ始まらないでしょ。
藤本 そうそう!今や未来を嘆いて、悲観し傍観ばかりしている場合じゃないで
すよ。未来を変えていく意志・進化をさせていく意志は、他人が持つものではな
く自分が持たなければ何も変革しないことを悟らないといけませんよね。
メディアに翻弄されないで、自分自身で思考し行動するしか無いという強い意志
が必要です。
半田 そうだね。この『コンタクト』のテーマはとてもはっきりしていて、それはエリ
ーと恋人のジョス神父の会話の中に集約されていたよね。
科学と宗教が最終的に到達するところは同じで、また、人類はそうした方向性の
中に、人間の文明の方向性を定める必要があるということ。そして、この科学と
宗教の価値観 の一致をつねに疎外しようとしてくるのが、自分たちの既得権益
をつねに守ろうとする政治権力者たちであること。
今の日本だって、政治家たちがもう少し良心を持ってくれれば大きく変わるはず
なんだよね。しかし、結局は、そうした良心なき政治家たちを国会に送っているの
は、僕ら大衆なんだから、結局は、僕ら一人一人の意識の低さがこうした国を作っ
ているってことになる。結局はすべて自分なんだ。
だから、藤本さんの言われるように、自分で考え、自分で行動していく強い意志力
が必要になる。
でも、そのためにはビジョンが必要だよね。新しい世界のビジョン。新しい人間の
ビジョン。それを作っていこう、というのがヌースの最大の目的と言っていいかな。
藤本 『コンタクト』という映画を通して、半田さんにたくさん宇宙論(ヌース理論)を
語っていただいて、とても為になったし、楽しかったです。
何だか元気が出てきました。有難うございました。
半田 こちらこそ有難うございました。
21世紀を是非、高次元とのコ ンタクトの時代にしましょう。